- すむ
- I
すむ【住む・棲む・栖む】(1)所を定めて, そこで生活する。 《住》「町に~・む」(2)鳥やけだものなどが巣を作って生活する。 《棲・栖》「森に~・むキツネ」(3)(上代・中古において)男が女の家に行き, 夫婦として暮らす。
「いかがありけむ, そのおとこ~・まずなりにけり/伊勢 94」
‖可能‖ すめる住めば都(ミヤコ)どんな所でも住み慣れればそこが最も住みよく思われるものだ。 地獄も住み家。IIすむ【済む】〔「澄む」と同源〕(1)物事が終わる。 終了する。「仕事が早く~・む」「宿題がまだ~・まない」「この車はまだローンが~・んでない」
(2)事態が解決・解消する。 かたがつく。「はしかも軽くて~・んだ」「大事に至らずに~・んだ」
(3)用が足りる。 まにあう。「暖かいのでオーバーなしで~・む」「電話で話が~・むような簡単な用件」
(4)気持ちがおさまる。 気持ちがはれる。「それでは私の気が~・みません」
(5)他人に対して義理がたつ。 申し訳がたつ。 多く打ち消し・反語の形で, 相手に謝るときに用いる。「謝って~・むことではない」
〔「済ます」に対する自動詞〕→ すまない→ すみませんIIIすむ【澄む・清む】※一※ (動マ五[四])(1)空や液体に曇りや濁りがなくなって, 透き通ってみえる。⇔ にごる「水が~・む」「秋は空気が~・んで感じられる」「月が~・む」(2)まじりけがなくなる。⇔ にごる「~・んだ色」(3)音がよく響きわたる。 さえる。「~・んだ笛の音」
(4)清音で発音する。⇔ にごる「この語は~・んで読む」(5)雑念がなくなる。「~・んだ心」
(6)静かになる。「人~・みてのち三人ながら車より下りぬれば/今昔 28」
(7)すましこむ。「舟の楫取りたる男ども, …いといみじう~・みたるさまなり/更級」
(8)道理が明らかになる。「理ノ~・マヌコトヂャ/日葡」
(9)沈んでいる。 くすんでいる。「中には萱草など~・みたる色を着て/源氏(手習)」
〔「澄ます」に対する自動詞〕※二※ (動マ下二)(1)道理を明らかにする。 決着をつける。「理ヲ~・ムル/日葡」
(2)濁りを去りきれいにする。「心ヲ~・メテ世ノ塵ニケガサレザル/ロドリゲス」
(3)気持ちを納得させる。「あい, と~・めぬ顔して猫をさすつて居る/歌舞伎・お染久松色読販」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.